本のタイトル
「貯金すらまともにできていませんが
お金に困らない方法を教えてください!
出版社 サンクチュアリ出版
著者 税理士 大河内薫
漫画家 若林杏樹
・マンガでわかる年金と投資信託の本
・年金の基礎知識の正しい理解
・マンガは笑えるけど中身は本質的で重厚
・各章事のまとめと終わりのまとめは充実
・一家に一冊おいて時々確認
1章の「貯金」じゃお金は守れないは、
目次の前後に著者2人の会話のマンガから始まり
とても面白くて笑える。年金の基礎知識の部分の導入は
わかりやすい。2年前の「老後2000万円問題」が
どのように誤解されていったかが分かる。
想定するひとつもモデルの家族が現代にあまり合わないことが原因のひとつ。
そして1章のまとめの前に著者のやさしいお金講座という
見開きのページで本全体と
各章(1章~7章)の簡単な解説が載せてある。
ここまでは、多くの人が、
難しいことが楽しいマンガで書かれているので、
最後まで簡単に読めそうな錯覚を起こす。
2章から7章の著者ふたりのかみ合わないような
やりとりのマンガが面白いのではあるが
内容は本格的で
最後まで読み通すにはかなり時間を要した。
ただ、各章ごとに、著者のやさしいお金講座とまとめがあり、
そこから読んでマンガを楽しむ読み方もいいと思う。
実を言うと私は2回目をそうやって読んだ。
年金と税金、納税のことをこのページ数で大きな文字で
書いてある本を私はこれまで出会ったことながない。
そして何より、日本の公的年金制度の良さを
わかり易く書いてあるところが、この本の一番良いところだと思う。
この手の本は、人口減少からくる年金制度の脆弱性を強調して
不安を煽る本がこれまで多かったように思う。
貯蓄から投資は、年金制度の存続性が怪しいから
必然の流れという文脈の本に、
前から私も疑念を抱いていた。
この本に出会えてとても安心した。
メディアでは少数派でもこのような
良識ある士業(税理士 社会保険労務士)の方は
意外に多いような気がする。
一方で、公的年金の基礎知識があやふやな情報弱者に向けて
自社の利益のためだけの投資信託の商品を
勧める金融機関の営業担当者は相変わらず多い。
ここのところについては、著者もバッサリと
厳しい指摘をして、投資信託はネット証券一択と
明解なアドバイスをしてくれている。
(4章投資信託理解編 5章つみたてNISA実践編)
6章(iDeCo 実践編)については、
小規模の会社に勤務していて全く知らない人に
とってはかなり難しい内容である。
なんとかマンガで楽しくわかりやすく
なるように書いてくれている。
幸い私は勤務先で確定拠出年金に
かなり前から加入する機会があったので
ある程度基礎知識があり何とか理解できた。
これから先、数年以内に定年を迎える人、
退職金を受け取る人にとっては
必須の知識である。
勤務先ではここまでわかり易く詳しい説明会は
無かったと思う。。
7章「日常に潜む罠」から
お金を守るでは、
最近はやりの投資詐欺について
注意喚起をしてくれている。
そして最後にとても
親切なチェックリストがついている。
この本で「わかること」&
「できるようになること」リスト
というタイトルで用語や制度を理解できたか、
実際に行動できたか・・・該当ページ付の索引になっている。
はじめに期待していたサラリと読める
マンガでは無かったが、とても満足している。
ふるさと納税の節税メリットなどは
私も含めてまだ知らないサラリーマンは多いと思う。
士業の人でない一般の人は
必ず一つ以上、は全く知らない事、
もしくは理解できていない事を
知ることができる機会が与えられる本である。
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