消費所得循環で社会にお金が回りだす。

社会にお金が回ること、特に必要なところに必要なだけお金が回ることは経済のもっとも重要な役割である。経済という言葉ができる前の日本人は、これを「金は天下の回りもの」といって感覚的に理解していた。「江戸っ子は宵越しの金は持たない」すわなち「その日に稼いだお金はその日につかう」とう言葉もその感覚を表している言葉である。

この当時は、お金をため込んで人に貸す人のことをやや蔑んで「金貸し」と呼んでいた。

当時の日本は「額に汗して働くこと」の美徳があった。「金貸し」の人たちもそれが分かっていて黒子に徹していた。自分たちの主張を表立った社会で言わなかった。また謙虚で世のため人のために余っているお金の貸して上げるという感覚であったはずである。

 これらの文化的背景のある日本では、「自分の消費が誰かほかの人の所得につながり社会全体を豊かにしていく」という感覚をもつことは、多くの人にとって違和感のあるものではない。お金をため込んで会社の株主総会で高い配当の請求をしても株主、資本家が更に豊になるだけで現在の格差社会の是正にはほとんど効果がないことを多くの人が理解し、大口の個人投資家は株式市場から離れていった。日本銀行のETF買い支えによって何とか現在の株価水準は維持されているが、これ以上の買い支えは期待できない状況になりつつある。実質全ての企業が国有化していくような社会主義的な発想はまだ日本では受け入れられがたい。したがって、株価上昇から個人資産増加による消費拡大、GDP国内総生産拡大の道筋は見えない。

 消費支出からのGDP国内総生産拡大はまた道筋がいくつか残されている。一つは既に実施進行中であるが最低賃金法の引き上げによる雇用者所得の拡大そして消費拡大の道筋である。もう一つは、年間55兆円支給される年金受給者による消費拡大である。予定していた人生設計より20年以上長く生きている人が多い世代では、年金は十分なものでない人も多い。これらの人々が安心して消費ができる環境を整えることが、日本の消費拡大によるGDP国内総生産拡大につながる。

 すなわちもうこれ以上の年金支給の引き下げや消費税の増税はないと安心感をもってもらうことである。年金受給権を担保にした低金利の融資も拡大し住宅ローンの団体信用生命保険のような商品を民間金融機関が開発することも必要である。住む家も古くなっている人、リフォームが必要な人、引っ越す必要のある人、働いている現役世代の親族に近くに引っ越してきてもらう必要な人、資金の使い道は様々であるが、投機無駄づかいに回ることのない資金需要である。すなわち本来金融機関が役割を果たすべき世の中の資金需要である。

 終身年金の持続性が確認され安心して長生きができる社会になれば、支給された年金は貯蓄にまわることなく生活必需品の消費にまわり、それらの雇用者の報酬を増やし、社会に消費と所得の好循環が生まれる。55兆円がすべてこうした生活産業の労働者の所得にまわれば55兆円の消費拡大、GDP国内総生産拡大効果になる。すなわちGDP国内総生産拡が10%程度成長することになる。全世帯型社会保障改革で支給年齢の引き上げ高所得者の医療費負担増によって年金制度の持続性が確認されれば、年金受給権取得者(50歳~65歳)年金受給者(66以上)の消費は拡大する。「金は天下の回りもの」「江戸っ子は宵越しの金は持たない」といった感覚で生活を楽しむことができる。世の中で役に立っている、日本のGDP拡大に貢献しているという自己肯定感をもって長生きしていくことができる。国の振込送金手数料節約の関係からか現在2か月に一度年6回の年金支給となっているのを希望者は毎月1回年12回支給に分割する。もしくは毎週一回年52回、毎日一回年365回支給に変更できるようにすれば、使いすぎは防げる。

 送金手数料の安いノンバンク、SNS事業者に変更すれば、十分可能である。

こうすれば消費所得循環で社会にお金が回りだす。日本のGDPは増大する。

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