盲導犬さん

盲導犬さん

盲導犬さんに電車の中で会った。盲導犬さんは私と目が合って警戒心をもって見つめた。飼い主の目の不自由な方と付き添いの方になだめられている。
マスクをしている私の顔の表情が見えないので困っている様子だ。少し息があらい。落ち着かない。「人間の表情で警戒心を持つべき相手かどうか昔はすぐ判断できたのに」
と言っているようだった。しばらくして警戒しないでいい人間として認めてくれたようで、
「クター」と床に体をつけてリラックスの状態になった。

飼い主の方の降りる駅の少し前に、むくっと シャキーンとした音とともに起き上がって再び緊張感のある表情に変わった。
飼い主様お守りするためにすべての五感を働かせて準備している。
駅に着いてドアが開いた。しっかりとした足取りで飼い主の目の不自由な方を導く。
エレベーターの方へ優しい目で飼い主の方と去っていった。
別の方向からエスカレーターで登って行ったら、盲導犬さんが大声で吠えている。

盲導犬さんは切れた。ブチ切れたようだ。視覚障害者誘導用ブロック(点字ブロック)に歩きスマホをしている人間がいて飼い主様とぶつかったようだ。

駅員さんがなだめても意に介さない。
絶対に許さない表情でブチ切れる。さっきまでの優しい落ち着いた眼とまったく違う。
盲導犬さんは熱い。使命感がある。そして賢い。人間にとっても大切なことを教えれくれる。
誰にも好かれていたいと優しいふりをして肝心なところ尻込みしてしまう大人の人間と違う。
大人の人間は19年前の事故で韓国人留学生李秀賢さんが亡くなったことはすぐに忘れる。
五輪が決まってから国際的圧力でホームドアの整備に取り組む。盲導犬さんは大人の人間と違う。日々ひたむきにご主人様をおまもりする。
パラリンピックが開催されたらブラインドサッカーを見に行こうと思い選挙候補者の主張をみた。『中止』、『再延期』、『規模を縮小して開催』の三通りぐらいだった。

こんな時だからこそ、『困っている障害者の方々にみんなの目が向くようにパラリンピックだけでも開催しましょう』と言っている大人はいなかった。
商業化して、儲かりそうで、広告収入が大きい種目だけ開催して寄付にでもあてる気だろうか。
節約した分もっとお金を配れば若者が喜ぶとでもおもっているのだろうか。よくわからない。

 

若者が選挙にいかなくなった理由が少しわかってきた。大人の人間の話がつまらない。本当に大切なことがわかっているとは思えない人が立候補している。
決めるのはIOC、WHOの人たち。日本や東京に決める権利があるわけでないことはみんな知っている。馬鹿にするなといって投票には行かない人が増える。
でも日本には盲導犬さんがいる。ひたむきに飼い主の目の不自由な方を日々お守りしている。
19年でも20年でもホームドアが全国の駅に設置されるまで待つ。
弱者に対する接し方で文明国家どうかが決まる。目の不自由な方々にはスマートフォンも4Kテレビも8Kテレビもインスタグラムも関係ない。ビジネスチャンスが広がることもない。
莫大な情報流通の恩恵から取り残されてる。それでもひたむきな盲導犬さんがいるから大丈夫だ。
盲導犬さんを応援しよう。盲導犬さんが活躍する日本はいずれみんなが暮らしやすい格差の少ない世の中を手に入れる。

暴動も革命も起こらない。民主主義は守られる。日本の未来は明るい。日本は近代文明国家だ。

参考:日本経済新聞 2020年6月25日 障害者「外出に不安」 コロナ新常態で配慮求める声
日本経済新聞 2018年1月28日 春秋

 

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