マイナンバー普及を抵抗勢力に阻まれた後の懸念

マイナンバー普及を抵抗勢力に阻まれた後の懸念

失われた20年と取り戻す行政のデジタル化の骨太方針原案が示された。いよいよG7に踏みとどまれるかのラストチャンスの様相になっていきている。

しかし残念ながらマイナンバーの全個人預金口座への紐づけ(総務大臣5月22日発表)は見送られてしまった。ひとり一口座のみの紐づけになりそうだ。

確定申告やこれから相当増えることが予想される雇用保険の受給手続きをはじめ、すべての国民の負担軽減につながるはずであった。

先進主要7カ国(G7)のうち全ての口座開設で個人番号の登録を求めていない国は日本だけらしい。

国際的な非合法組織のマネーロンダリング防止に非協力的な国、あるいは摘発の姿勢が甘いと誤解されないか心配である。

疑われるといよいよG7にも呼ばれなくなり、ひどい場合には、「オリンピックなんかいっそのことやめたら」と言われかねないか懸念される。

偽名での口座開設などマネーロンダリング(資金洗浄)を防ぐための手段として定着している先進諸国にとっては、日本が何を優先しているか理解できないと思われる。

おそらく脱税や資産隠しに対する罰則や追徴課税は相応に高くても社会的制裁、世間での信用の失墜といったものが欧米社会と隔たりがあるのだろう。

また、政権に対して影響力のある富裕層や宗教団体に配慮しているのだろう。オンライン上でコロナ関連の各種緊急給付金、雇用保険の受給手続き、災害時の緊急の給付金を完結できるようにするため、いったんは、妥協して全口座ではなく一口座で議論は進めていくことになるのだろう。何十年も前(1970年頃)から国民総背番号制が葬り去れている状況と似ているのが気になる。

 

そこで、全口座を紐づけている人は、源泉徴収、確定申告を問わず、所得税率の軽減で優遇するというのも一つの手であろう。

いずれ皆が全口座を紐づけるようにインセンティブが働く税率優遇がどの程度のレベルになるのかは、国税庁をはじめ専門機関に委ねるのが適切だ。

1960年代から所得捕捉の難しさを「トーゴーサンピン(10・5・3)」「トーゴーサンピン(10・5・3・1)」「クロヨン(9・6・4)」とも呼ばれる

税の不公平感の是正に尽力してきたノウハウが生きる。口座への付番は相続時の際の正確な資産把握にも活用するなど、税や社会保障の公平さを担保する仕組みになるはずだ。

今回の方針が実行され、不公平税制の是正や格差是正、弱者保護に資することになれば、

日本の未来は明るい。正直者が馬鹿を見るような世の中でなくなる。

日本の国際的な信頼が回復することも期待できる。

 

参考資料:文献:URL

①日本経済新聞 2020年7月8日 骨太方針原案 1年で行政デジタル化

「失われた20年」繰り返す懸念

② 日本経済新聞 2020年7月7日 マイナンバー、口座連動に不信の連鎖主要国は全登録

何のためのマイナンバー(中)[有料会員限定]

③日本経済新聞 2020年6月18日 世界に改革促す「適温」危機 イアン・ブレマー氏

滝田 洋一 グローバルオピニオン[有料会員限定]

④世界大百科事典 第2版の解説 抜粋

行政庁が国民各個人にコード番号を付し,行政の合理化と能率化を図ろうとする制度のこと。情報化社会の到来が現実味を帯びてきた1970年2月,政府は行政管理庁を中心に〈情報処理高度化運営方針〉を作成するとともに〈事務処理用統一個人コード設定の推進〉を図ることとした。これが,国民のプライバシーを侵害する国民背番号制であるとして反発を招き,国会でも追及が行われた。72年11月,全電通などの提唱で〈国民総背番号制に反対し,プライバシーを守る中央会議〉が結成された。

⑤ 法人会 URL https://www.zenkokuhojinkai.or.jp/about/index.html

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