社会的ダ―ウィン主義

社会的ダ―ウィン主義

 

コロナ禍でこれまでの20年間、日本が社会的ダ―ウイン主義、適者生存の理論で動いてきていた事が明らかになった。社会的ダ―ウイン主義は、市場原理主義の明らかな誤解から生まれる。リベラルな進歩主義者であり、奴隷制に反対していたダーウィン自身は、こうした「社会ダーウィン主義」的な考えを、科学的合理性からも、倫理的な信念からも否定していた。それでも、こうした考えは形を変えて広まり、今日まで生き残っている。

日本は女性の社会進出が遅れたことにより、『生き残り、サバイバル』といった言葉を好む男性的思考の影響が強くなっている。更にこの流れに、5年前に出版された『21世紀の資本論』の簡易で安易な解釈本が出回り、更にその影響力を強めた。これも著者のトマ・ピケティ氏が富裕層課税の必要性を結論づけた趣旨からはずれている。資本を持つ側(株主、家主)に回らないと生き残れない、労働者の側は益々、今後も貧しくなる といった解釈で株式投資や不動産投資を煽るようになった。ひどい場合には、受験勉強の教育者の中にもこの理屈で生徒を煽りたてる指導をするものもいる。

個人、家族、学校、会社、市町村都道府県、国、政党といったすべての組織に応用して考える習慣になっている人も少なくない。

規制緩和による小さな政府という市場原理主義の経済政策は、1980年代のイギリスとアメリカの経済衰退を救った。

すくなくともその後の10年程度の一時的には経済を活性化させた。これをそのまま応用しようし経済再生政策の流れが、日本で本格化するのは2000年代の郵政民営化である。

一時的には経済を活性化させた面もあるかもしれない。貿易の自由化は、いずれすべての国のモノとお金の流れが自由になり非効率な関税が撤廃される。

それはやがて人、資本にも及びすべての国が貧困から解放される日がくることを人々に期待させた。

ハンス・ロスリング氏の『ファクトフルネス』により世界を正しくみる習慣ができている人は、今でも希望を失うことはないだろう。

 

現在、コロナ禍は大きな政府による雇用拡大を必要としている。経済政策としては第2次世界大戦以前に戻った。

しかし、決して第三次世界大戦を引き起こしてはならない。嫌な予感がしても、今度こそ人類は、賢くみんなで生き延びる方法を選択すると信じるしかない。

外交防衛問題は、複雑で難しい。世界の教養を身に着けた教養人によってしか解決できない事が多い。反知性主義の政治家を人々が選択しない事が大切である。

 

日本は反知性主義(社会的ダ―ウイン主義の信奉者)の政治家によって弱者を保護する仕組みが不十分なまま放置された。しかしコロナ禍はその仕組みを整える必要性を明らかにした。

これを機会に弱者保護の社会システムが再構築されれば、日本の未来は明るい。

政治が機能しすべての国民に希望を届けることができるようになる。国民が社会的ダ―ウイン主義信奉者の政治家を選択しなくなるまで少し時間はかかるかもしれないが、

必ず変わっていくはずだ。そうなれば日本の未来は明るい。

 

参考: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 ファクトフルネス『FACT FULNESS』(日経BP社)

 

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