『M字カーブ』の解消

『M字カーブ』の解消

 

令和元年版 男女共同参画白書によると、女性の5年毎の年齢階級別労働力率のM字カーブ解消されているらしい。

『M字カーブ』とは、出産・育児期に一時的に女性の労働参加率が減少し、年齢階級別労働力が底を打つことをいう。

約40年前の昭和53(1978)年の調査では、20歳前後で労働参加する人が70%弱で25歳~29歳の出産年齢では約46%まで労働参加率が減少して底をうっていた。

その後40歳代後半までにかけてパート労働等で職場復帰していくため結果的に年齢別の労働参加率の折れ線グラフが『M字カーブ』を描いていた。

 

約20年前の平成10(1998)年の調査では、底を打つ年齢は30歳~34歳の年齢に変化しその時点の労働参加率は、10%近く上昇して約56%となっていた。

 

男女共同参画白書の最新の調査結果の平成30(2018)年では、労働参加率が底を打つ年齢は35歳~39歳(74%)に変化している。

また、労働参加率が最大になる年齢は、25歳~29歳で約84%となっている。女性の高学歴化により、自ら受けた教育に見合った労働参加によって教育投資を回収する意識が高まっているとする分析もある。

 

M字カーブの解消の要因は、男性の子育て参加が当たり前になって、育児休業取得も珍しくなくなってきつつある状況を反映している。

都会では、父親が『抱っこ』をしている風景はここ10年ほど前からよく見かけるようになった。また、電車の中で、私立小学校の送り迎えを父親をよく見かける。

子育て家事に非協力的な男性は女性に子供を産んでもらえない世の中に変化してきているのは、望ましいことである。

しかし欧米のようにM字カーブのないなだらかな一つの山を描く労働参加率になるには課題も残されている。

 

一つは、都会に公立の安い保育園が足りない。もう一つは、コロナ禍で義務教育の公立の小学校と中学校のインターネット遠隔授業の環境が整うのにまだ3年以上かかることである。

公立の安い保育園に関しては、在宅勤務でオフィス需要が減った都会のビルを改装してでも増やしていくべきであろう。

公立のインターネット遠隔授業が充実していないことにより学力の低下が懸念されるようになると、私立受験が過熱してしまう可能性がある。

特に私立小学校の受験は母親が仕事を続けながら受験準備することは難しい。前述の最新の男女共同参画白書の調査結果において女性の労働参加率が最低となっている35歳~39歳は、小学校受験、あるいは少し結婚の早い人の中学受験で母親が仕事を離れている可能性もある。

公立の義務教育のインターネット遠隔授業環境の整備の遅れは、せっかく解消しつつある『M字カーブ』を再び深い谷に逆戻りさせてしまう懸念すらある。

一日も早く北欧のような教育環境を整え『M字カーブ』を解消して欧米並みの女性の労働参加率になること望まれる。『GIGAスクール構想』が加速し

女性の労働参加率が増え『M字カーブ』が過去の言葉になれば、日本の未来は明るい。女性管理職の割合も増える。ハラスメントのないホワイト企業も増える。

 

参考用語解説

ウキィペディア

M字カーブ(えむじかーぶ)とは、労働分野において、女性の年齢階級別の労働力率を示す指標を表す語である。グラフ化した時のその形がアルファベットの「M」の字の形に似た曲線を描くことから名付けられた。M字カーブと呼ばれる現象は、日本のほか、韓国においてもよりM字の底が深い特徴的な現象を示しているが、欧米諸国では見られない。

第3図 女性の年齢階級別労働力率の推移

第4図 主要国における女性の年齢階級別労働力率

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。