地銀の経営健全化のための超長期債(2022年1月7日 参考追加)
新型コロナの東京の感染者数増大傾向で地方移住のニーズは多くなってくる。
新常態、ニューノーマルの環境下で地方移住を希望する人が増えても、
地方に魅力ある環境が整っていないとやがて勤労世帯は、再び職を求めて、都会に集まってしまう。
また、人口減少で地銀の経営は、厳しさを増している環境でも、
経営理念を置き去りにした従来のノルマ主義から脱却できていない。
金融庁による過去20年近くの改革もビジネスモデルの変革まで至ったのは4割程度とのことだ。
残りの6割は、変革を受け入れず、合併再編前により優位な業績を上げようとして、
益々ノルマ主義に陥ってしまうリスクがある。新型コロナのが逆風で若い行員の失望と離反を更に招いてしまうかもしれない。
収益性の高いアパートローンの融資は、スルガ銀行の不正融資事件をきっかけに減ってきてい可能性もあるが、
再び似たような事件が起こるとも限らない。
こうした同じ失敗が繰り返される環境要因は、マイナス金利政策が始まってから
長期の国債保有による地銀の収益機会が奪われていることに起因する。
地方自治体も緊縮財政を迫られているので利回りの確保できる自治体による
長期債、超長期債を地銀が保有できる機会は少ないと思われる。
金融庁は、合併再編による経営の健全化を後押ししつつ、
収益機会の確保できる資産保有、投資機会の環境を整えてるいく必要がある。
こうした中、ESG投資への長期の取り組みは利回りもよいことが判明してきているのは良いことだ。
しかし、それだけでは十分な量は確保できないと思われる。
ビジネスモデルの変革の進んでない6割の地銀のバランスシートの資産側に、
国債もしくは地方債の超長期債(20年~50年)を保有できる環境を整えていく必要があると思われる。
本質的な課題解決ではなく、時間稼ぎにしかならないという見方もあるだろう。
しかし20年国債、30年国債の入札が順調に消化できているということは、
生命保険等が落札して地銀には回ってこないということの裏返しであり、
『市場のニーズに見合った利回りの高い超長期債の供給が十分でない』とも言える。
新型コロナによる環境変化によって、10年ぐらいかけて顕在化すると思われていた危機が
1年~2年で一気に加速すると予言する人も多い。
地銀の預金流出や経営破綻は、本当に起きてしまうと地方経済に大きな打撃を与える。
公的資金注入は2度や3度できるものではない。こうした中、
地銀の経営の健全化のため利回りの確保できる超長期債の保有ができる環境を整えることは、
モラルハザードには当たらない。また、ESG投資にはまだ科学的根拠資料や評価が固まっていない面もあり、
ESG投資への過大な期待だけで地銀の健全化を考えるのは難しい。
地銀の経営が健全化して地方のインフラや駅ビル、商業環境、住宅環境が整う目途が立てば、
都会への過度の人口集中避けられる。
地方は東京よりいくらか出生率も高く、子育てのしやすい環境も整っている。
新型コロナをきっかけに本当の地方創生が始まれば、日本の未来は明るい。
働いた給料が家賃だけで消えていく都会ではなく、地方で働くことを選択する勤労世帯も増える。
都市と地方の格差の広がりが是正され、バランスよく国全体が発展すれば、日本の未来は明るい。
参考:日本経済新聞 2022年7月27日 朝刊21面 マーケット総合 超長期国債、利回り急低下 40年債の応札堅調で
参考:日本経済新聞 2022年6月18日 朝刊3面 イールドカーブコントロール 長短金利を誘導
参考:日本経済新聞 2022年1月7日 「日銀の変節」が促す金利上昇
参考:日本経済新聞電子版 地銀株が上昇 日銀の再編支援策受け2020/11/12付[有料会員限定]
参考:地銀の6割、変革道半ば 金融庁長官 遠藤俊英氏(寄稿) 当局は脱「上から目線」を2020/7/16付[有料会員限定]:小泉環境相と遠藤金融庁長官、環境配慮の金融巡り会談経済 金融機関 政治 科学&新技術2020/7/15 19:22:企業の内部通報、実効性どこまで 改正法成立法務・ガバナンス2020/6/28 2:00[有料会員限定]
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