(2022年1月3日 参考追加)
コロナ禍前の昨年5月、経済産業省より
「SDGs経営ガイド」が発行されている。
経済産業省においては、2018年11月に
「SDGs経営/ESG投資研究会」を立ち上げ、
着実のその取り組みを推進している。
「SDGsとESG」を掛け合わせた研究会は、
世界的でも、稀な進んだ取組みである。
その先進的な取り組みをコロナ禍により
失われつつある雇用の受け皿に活用する
ことにより、消費の落ち込みを最小限に
していく努力が重要である。
SDGs達成のためには、
世界で年間5~7兆ドルの資金が必要
となり、投資機会は途上国で1~2兆ドル、
先進国でも最低1.2兆ドルとも試算される。
さらに、SDGsが達成されるならば、
労働生産性の向上や環境負荷低減等を通じて、
2030年までに年間12兆ドルの
新たな市場機会が生まれるとも言われている。
未来の市場を創造・獲得するための「機会」
であると同時に、良い雇用を生み出す機会でもある。
SDGsの考え方は、昔から日本に根付いている
「三方よし」のように日本企業の商慣習と親和性が高い。
日本ではもう当たり前の考え方として脈々と受け継がれている。
欧米からSDGsとかESGと言われなくても、
その前から社会課題を捉えて従業員と
一体となり取り組んで、
現在まで継続している会社が多い。
『日本の企業は、SDGsという考え方が
無かった時代から、長い間SDGsに取り組んできた。』と言える。
しかし発信を怠ったため、
実際に海外企業より優れた取組をしていても、
それが世界に十分に伝わっていない。
ガイドによると「SDGs経営」の推進はある程度
政府がイニシアティブをとるとされている。
そうであるならば、大胆にコロナ下における
雇用喪失環境の受け皿として取り組むべきでないだろうか。
政府が労働市場の雇用調整に働きかけることによって、
その取り組みを世界に発信することができる。
労働生産性の向上や環境負荷低減等を通じて
生まれる市場機会に、安定した雇用が生まれる。
そのことを前提に、現在から準備する必要がある。
人手不足による目標未達成とならないように
準備するべき時である。
雇用の不安が少しでも早く解消される見通しがたてば、
消費者の心理にプラスに働き、過大な貯蓄になるのを防ぐことができる。
そうなれば、日本の企業は長期投資家に選ばれるようになる。
『マネードリブンではなくミッションドリブン、
ロングタームストラテジー』の会社である。
そして『人を起点に価値創造のサイクルを回している』と
評価されるようになる。
ROEだけで判断することなく、
「持続的に日本の企業とつき合っていれば価値が創造される」
ということが伝わる。
日本企業がSDGsを組み込み、
企業を取り巻くステークホルダーの
意識や行動が変わっていくことが大切である。
そうした動きがSDGsの達成、
さらにはその先も見据えた社会課題(雇用回復)の
解決に貢献することになる。
クリーンエネルギー戦略の工程表にその道筋が
明らかにされれば、日本の未来は明るい。
参考:日本経済新聞 2022年1月9日 朝刊2面 再エネ発電稼働 天候不順が打撃 脱炭素の足かせに
参考:日本経済新聞 2022年1月3日 朝刊1面 再エネ普及へ送電網 新戦略明記 2兆円超 投資へ 首相 脱炭素を柱に
参考:日本経済新聞 2021年5月10日 朝刊9面 オピニオン2 核心 脱炭素、雇用転換どう進める
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