在宅勤務と職場におけるパワーハラスメント
学校でのいじめやハラスメントによる
ひきこもりも減っていない一方で、
職場におけるパワーハラスメントが原因で、
ひきこもりもになるケースが増えている。
内閣府の調査では、
40歳~64歳のひきこもり状態にある人は推計61万人、
15歳~39歳の推計54万人を
大きく上回るとのことである。
15歳~39歳よりも40歳~64歳で
6万人増えているという事実は、
就労経験のある世代のひきこもりが
増えているということである。
職場のパワーハラスメントは、
働く⼈が能⼒を⼗分に発揮することの妨げになることはもちろん、
個⼈としての尊厳や⼈格を不当に傷つける等の
⼈権に関わる許されない⾏為である。
企業にとっても、
職場秩序の乱れや業務への支障が生じたり、
貴重な⼈材の損失につながり、
社会的評価にも悪影響を与えかねない大きな問題である。
また、社会保障の持続性の問題、
労働生産性の向上と合わせて解決を
図っていかないと日本経済の回復を送られる原因となる。
職場のパワーハラスメントについては、
2016年に厚生労働省が実施した
「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」によると、
過去3年以内にパワーハラスメントを受けたことがある
と回答した者は32.5%であり、
また、都道府県労働局における「いじめ・嫌がらせ」の
相談件数も2018年度には8万件を超え、対策は喫緊の課題となっている。
このような状況の中、労働施策総合推進法が改正され、
職場におけるパワーハラスメント防止対策が事業主に義務付けられた。
相談したこと等を理由とする不利益取扱いの禁止や国、
事業主及び労働者の責務が明確化されるなど、防止対策の強化が図られた。
改正法の施⾏は2020年6⽉1⽇であり既に2か月半が経過している。
中小事業主は2022年4⽉1⽇から義務化となり、
それまでの間は努⼒義務となっている。
いじめを受けた人の多くはその後、
「対人恐怖症」になっているケースが多い。
職場に復帰するときに精神的なサポートを
必要とする。50名以上の会社、
職場では、労働安全衛生法により
産業医のサポートがあるが、
それ以下の人数の職場ではそのサポートは期待できない。
在宅勤務も進んでいない中小企業では、
リモートのパソコンの面談によるサポートも難しい。
中小企業においては、コロナ禍においても
通信環境が整備されず在宅勤務が進んでいない会社が多い。
大手企業との職場環境の差は大きい。
残念ながら中小企業の義務化は2年先である。
在宅勤務の通信環境整備と合わせて税制優遇し、
在宅勤務の推進を職場のパワーハラスメント
防止対策の一環として実施するべき時である。
参考:中高年ひきこもり 幻冬舎新書
職場におけるパワーハラスメント対策が
事業主の義務化に・・厚生労働省都道府県 労働環境・均等部(室)
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