令和2年版 高齢社会白書

未来への情熱

令和2年版 高齢社会白書

高齢社会白書が令和元年に続いて

厚生労働省のサイトで概要版と全体版が掲示された。

まだ、英訳版はないので、比較的最近掲示されたことが伺われる。

内容は令和元年版を踏襲している部分が多いが、『

これから高齢者が増えて大変だ、大変だ』という論調は

なくなり穏やかに年を取り、

安心して暮らしている高齢者の割合が多いことが、

統計数字とともに淡々と語られいる印象である。

例の『2000万円足りない足りない』問題に

官僚さんたちは懲りたのであろう。

内容や分析が素晴らしいものであっても、

マスメディアの取り上げられ方によっては、

バッシングを浴びてしまう。大臣も『読んでわからなった』

『読まなかった』『マスコミからの報道だけを頼りにした』

とは言わず、『聞いていない』という。

国民は政府に複数の選択肢をわかり易く提示するまでが

官僚さんたちの仕事であるとすると、

その役割は十分果たしているといえる内容でっても

批判の矛先は書いた人たちにいってしまう。

『働く期間を65歳まででなく、もっと伸ばしましょう』

というお話は、例の『2000万円問題』の時と、同じである。

しかし言い方は明らかに違ってきている。

65歳以上も働いている人、

75歳以上も働いている人の方が比較的健康で、

認知症などにもなりにくいニュアンスで書かれている感じがする。

推計では、

令和18年(2036年)には65歳以上の人の割合が3人に1人になるらしい。

令和47年(2065年)には75歳以上の人の割合が4人に1人になるらしい。

この言い方にの慣れてきているので『ああ そうか』

という程度にしか感じない人も多いのではないかと思う。

現在の高齢者は『高齢者が増えていずれ年金が出なくなる。

インフレになるから年金では生活できなくなる。』と

不安になってしまうことが多く、

過大に貯蓄をする傾向にあった。ところが、

この傾向は、20年40年先には変わっているニュアンスである。

これはおそらく『少産少死』の時代がくるから、

人口は8,800万人くらいまでで安定していく社会が

訪れること意味しているのかもしれない。

現在は『少産多死』の時代で総人口がかなり早いペースで減少している。

いずれ労働人口も減る時代がくるから

『年金制度の維持が大変だ』という論調が多い。

しかし『少産少死』で総人口の減少のペースが緩まり、

8,800万人~6,000万人で安定することを意味していると思われる。

そうすれば、社会保障の問題も財政や増税の問題もそれほど

大きな負担なく、安定した高齢社会になるということを

言おうとしているように思われる。

高齢者安心安全社会はいずれ到来する。

しかし、人口減少のペースが早いこの先20年から30年は、

いろいろ負担と給付、

財源の問題をみんなで一緒に考えていきましょうという

メッセージと考えれば、良い。

書く人の立場にたって、

正しく感情的にならずに高齢社会白書を

読む人が増えれば、余計な社会不安はなくなる。

今は少し厳しい時代が続くが、

いずれ全世代にとっての明るい日本の未来が拓ける。

高齢化の状況

高齢社会白書

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