就職氷河期世代の年金

未来への情熱

就職氷河期世代の年金(2020年11月11日参考追加)

就職氷河期世代は30歳代後半から40歳代後半にさしかかっている。

1,600万人以上いるといわれ労働人口の約23%を占めるとされている。
これらの世代が年金を受給するのは20年から30年先である。

若いうち就職先が見つからず、非正規雇用で働いているケースも多かったため十分な年金が受給できない可能性が指摘されている。
その場合に生活保護の対象になる人が増えるため、それに備え税金で財源を確保する必要があるとする議論が盛んである。

最近では、それらの世代を対象にした中途採用が公務員、民間企業で試みられてる。大変な倍率である。

今後も取り組みを強化していく必要がある。
しかし就業希望者を十分に吸収できている状況ではない。

年金受給の年齢に達するまでに20年(現在40歳後半の人が65歳に達することを想定)以上の就労期間(被保険者期間)を確保できない可能性がある。
そこで被保険者期間を制度的に弱者保護として加算する改定を検討する必要がある。

昭和61年3月以前に厳しい労働条件の坑内員であった期間が30年以上ある場合には、

その期間は40年として被保険者期間に算入され厚生年金保険の年金額に反映させる制度が参考になる。
≪1972年~1982年生まれの世代は、厚生年金保険の加入期間が15年以上の場合に、その期間は25年もしくは30年として読み替え厚生年金保険の年金額に反映させる制度≫の創設などが考えられる。
国民年金(基礎年金)制度の枠組みの中では、法定免除制度(現在の50歳未満の納付猶予制度では年金額に一切反映されない。)や障害基礎年金の特例
≪初診日が令和8年4月1日前にある場合には、初診日の属する月の前々月までの被保険者期間のうち直近の1年間に未納期間がないこと。ただし、初診日において65歳以上の者には、この特例は適用しない。≫
が参考になる。1972年~1982年生まれの世代は、法定免除で8分の3年金額に反映させるなどの制度創設が考えられる。

現行の年金制度の根幹を維持して類似の特例を設けるだけなので、
政権交代がなくとも野党で内閣法制局と調整しながら議員立法で可能である。

就職氷河期世代は投票棄権率が高い。投票に行ったことがない人も多い。

政治に何も期待していない。だからといって、声なき声を無視し、
目先の票を追い求めて今のまま問題を放置しておけば、将来の財政面の大きな問題を起こす。将来の増税を国民が予想すると消費が減る。消費が減ると経済の循環が悪くなり日本経済が衰退に向かう。

株価対策や外国人労働者受入対策に気をとられ、格差が広がっている国は多い。コロナで益々格差が広がりつつある。国民皆年金制度と国民皆保険医療制度が信頼を失えば、
日本も格差が広がり、暴動や社会不安の広がる可能性がある。

大多数の高齢者が年金で暮らしていけたことと国民皆保険のおかけで、日本はコロナによる死者を少なく抑えることができた。
普段の生活で身近な街のお医者さんが定着している。初診料5000円を払えばだれでも大病院で診療してもらえる。他国に比べれば社会不安も深刻化していない。就職氷河期世代の年金問題に今のうちから政治が手を差しのべれば、
日本で老後を過ごそうと思う人は多くなるはずである。全世代安心の社会保障改革が日本の未来を明るくする。どの世代も見捨てない。どの世代も大切である。
そうなれば、選挙の投票率も上がる。正しい政治選択をできるようになる。就職氷河期世代の年金問題が可視化できて社会問題として解決できれば日本も未来は明るい。

子供たちも日本で安心して働き老後まで過ごす選択をするようになる。

参考:日本経済新聞 2022年1月24日

朝刊7面 確定拠出年金、道半ばの20年

・企業型、商品や教育を見直し

・イデコ加入増へ簡素化急務

・年金のない中小企業を支援

・事業主、環境整備もっと

参考:日本経済新聞電子版 2020/11/11 2:00[有料会員限定]男性育休をニューノーマルに 少子化対策、今後のカギ

参考:日本経済新聞 2020年11月3日 朝刊 特集31面 受賞5作品を読む(第63回 日経・経済図書文化賞) 日本のセーフティーネット格差 社会保険 改革の方向性示す

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